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株価の史上最高値更新と就職戦線

株式市場上昇1

株価の史上最高値更新と就職戦線

                    スクナビ代表取締役 河内信幸

日米ともに史上最高値を記録

 2024年2月22日の東京証券市場は、34年ぶりに日経平均株価が史上最高値を更新しました。この日の終値は、前日比836円(2%)高い3万9098円でした。バブル期の1989年12月29日、最高値となる3万8915円をつけましたが、今回はこれを上回り初めて3万9000円台に乗せたことになります。初の4万円台も間近かだとする市場関係者も多いようです。同じ日、アメリカではニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均が3万9069ドルとなり、初めて3万9000ドルを突破しました。

 日米ともに史上最高値をつけた牽引力、原動力は大手の半導体関連産業です。米半導体大手のエヌビディアは生成AI(人工知能・画像処理半導体)向けに業績が伸びており、2月22日の早朝、最終利益が前年同期の8.7倍となる決算を発表しました。日本の東京エレクトロンは半導体製造装置の大手ですが、2月22日時点で、時価総額がトヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループに続く国内第3位となりました。このように、日米ともに半導体関連産業の業績は、株価を大きく上昇させています。

私は、日本がかつてバブル期の最高値を記録した頃、まだ40歳の壮年で働き盛りの世代でした。当時を思い出すと、社会に沸き立つような高揚感がありました。しかし、今回の史上最高値の更新は、社会にそんな高揚感は感じられません。

株価上昇が賃上げにつながるか、就職戦線の動向

 今回の好調な株価上昇は、物価が上がっているにもかかわらず給料は十分に上がっていないために、最高値の恩恵も高揚感もあまり感じられません。かつてのバブル期は給料が右肩上がりでしたが、今回の好調な株価上昇が国内企業の十分な賃上げにつながるかどうかは不透明です。株価上昇は、社会全体の活気やヒトの動きが活発になって実体経済を伴うことが望ましく、そのためには一層の賃上げによる需要喚起が不可欠です。

それでも、信用調査会社の「東京商工リサーチ」が最近行った調査によると、2024年度に賃上げを実施すると回答した企業が85%を超えており、調査を始めた2016年度以降で最高となったと伝えています。株式会社マイナビが発表した『2023年度(2024年卒)新卒採用・就職戦線総括』によると、若者人口が今後減少していくことから企業側の採用意欲は向上し、就職戦線が活発化することは明確だとしています。他社に後れを取らないようにするため3月から面接を開始するなど、選考の開始時期を早めている企業が増えています。しかし、結果的には6月時点の採用充足率は低下傾向にあり、採用充足率がゼロである企業が31.5%(対前年比3.1ポイント増)となったと、マイナビは厳しい現状を伝えています。企業側がこのような厳しい採用状況を打開するためには、内定を希望する学生を待っているだけでなく、企業側が積極的に学生にアプローチしていただき、良い人材を早めに確保して欲しいと思います。

 皆様、「配属ガチャ」という言葉をご存知でしょうか?これは、新入社員が職種・部署・勤務地の配属が通知されるまでわからない状況を表す造語です。新入社員の早期離職が課題となっている企業も少なくなく、「配属ガチャ」がその原因になっているケースも多くみられます。スクナビがモットーとしているように、企業側と学生の皆さんが早めに接点を持ち、お互いに配属や希望を出し合うような、双方向の就職活動、採用プロセスになれば、このような「配属ガチャ」は少なくなると思います。日経平均株価が史上最高値を更新した今、そんな思いを強くいたします。                (2024年2月24日)

株価の史上最高値更新と就職戦線

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