災害と経済―社会に与える影響について
代表取締役 河内信幸
地震や津波、台風・洪水などの自然災害や、戦争・経済危機などの人的災害は、私たちの社会生活に大きな影響を与えます。7月28日の午後4時27分ごろ、熊本地方で深さ16キロを震源とするマグニチュード(M)7.1の大きな地震が発生しました。気象庁によると、この地震で熊本県宇城市と氷川町で最大震度7を記録したほか、揺れは九州から中四国、北陸地方まで広い範囲に及びました。
§頻発する自然災害§
自然災害は、先頃のハイチ地震(2010年1月)や東日本大震災(2011年3月)があり、最近でもアイスランドの火山噴火(2025年7月)やベネズエラ地震(2026年6月)は、世界中の人びとに大きな衝撃を与えています。自然災害の発生が全体としてここ20年ぐらい急激に増えており、特に洪水や台風・ハリケーンなどに関連した災害の増加が目立ちます。災害にはこうした自然災害のほかに、アジア通貨危機(1997年)やリーマン・ショック(2008年)を始め、メキシコ(1994年)、アルゼンチン(2001年)の経済危機などがあり、内戦、戦争、テロ事件のような暴力的災害も忘れてはなりません。
§災害が経済に与える影響§
災害の対処に充てられる資源は有限である以上、その配分は適切に行われなければなりません。しかし、政府による巨額の財政出動や補助金支給が国家財政を圧迫する危険性もあります。
短期的にはすべての災害が経済にマイナスの影響をもたらし、特に自然災害と戦争の悪影響が大きく、巨大な資産の損失が顕著となり、物的被害と機会損失、サプライチェーンの寸断などが目立つようになります。インフラ(電力・水道・道路など)停止による企業の生産活動のストップは、経済に大きなマイナス要因となります。
それでも、長期的に見れば復旧工事などの公共投資(復興需要)が発生し、生産の向上と社会インフラの効率化改革につながる場合もありますので、中長期的なマクロ経済への展望が不可欠だと思います。
<https://www.esri.cao.go.jp/jp/esri/prj/current_research/saigai/saigai.html>
<https://www.mlit.go.jp/river/bousai/shinsuihigai/pdf/171225_jirei_2_lo.pdf>
§地域コミュニティの重要性§
災害時における地域コミュニティは、住民の絆となり命を救う鍵となります。それは、迅速な安否確認や避難誘導などを通じて、お互いに助け合う「共助」の基盤となります。行政も、自主防災組織の作り方や活動内容を支援し、防災コミュニティの構築を急がなければなりません。
(2026年7月30日)