ブラック企業とホワイト企業
スクナビ代表取締役 河内信幸
§ブラック企業とは?§
就職氷河期とは、日本で1991年(平成3年)のバブル崩壊の影響が出始めた、1993年(平成5年)以降に就職難になった時期のことを指しています。学生の氷河期世代は1993年から2005(平成17年)年頃に社会人になった世代に当たっています。
「ブラック企業」という言葉は、そんな就職氷河期の2001年(平成13年)、2ちゃんねるの就職活動版で生まれたと言われています。今日では「ブラック企業」という言葉は一般化しており、反対語は「ホワイト企業」です。厚生労働省は「ブラック企業」を定義づけていませんが、「『ブラック企業』ってどんな会社なの?」という質問に対して、次の3つの特徴をあげています。第一は、労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す企業、第二は、賃金不払残業やパワー・ハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い企業、第三は、このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う企業。<https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/qa/roudousya/zenpan/q4.html>
日本の企業は、1991年のバブル経済崩壊以降、「なるべく無駄を省く」ために「コスト・カット」に比重を置いてきました。その結果、末端の従業員に過重な心身の負担、極端な長時間の労働を強いるなどの劣悪な労働環境が続いてきました。
§相談機関への対応§
万が一、「ブラック企業」に就職してしまった場合、新入社員が単独で会社に問題点の改善を求めて交渉等をするのは現実的には非常に難しいと考えられます。労働組合に相談することもできますが、組合が組織されていない中小企業も多いので、問題点に応じて、外部の関係機関に相談することが有効な手段となります。
例えば、厚生労働省は、ブラック体質の企業に対する、次のような相談窓口を紹介しています。労働条件について、平日夜間、土日・祝日に無料で電話相談できる「労働条件相談ほっとライン」(0120-811-610)、労働基準法などの違反が疑われる事業場に関する情報受付を行う「労働基準関係情報メール窓口」、労働条件に関する相談窓口である都道府県労働局、労働基準監督署及び総合労働相談コーナー、外国人労働者向けの相談ダイヤル・相談コーナーなどがあります。<https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/soudan/>