現代は、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)による「第四次産業革命」の時代と呼ばれており、「人生100年時代」の長寿社会と言われています。そのため経済産業省は、2006年に、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要」な「社会人基礎力」を定義づけました。それは、「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)から構成されています。そして、2017年には「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」が、ライフ・ステージの各段階に必要な力を「人生100年時代の社会人基礎力」と位置づけました。
このような社会認識を踏まえて、就職活動にはまず志望動機を明確にする必要があります。志望動機は、自分自身の視点だけで考えるのではなく、企業目線で入社後にどのように役立つかということも視野に入れたものにしましょう。そして、インターンシップへの参加やエントリー・シートの作成を通じて、自分にマッチする職種や業界がより明確になります。また、「社会人基礎力」のなかから、自分の強みと接点のあるものを選んで面接時に説明できるようにしておきましょう。
筆記試験、SPI(適性検査)、面接の対策は早めに始めた方が良いのですが、大学生活を充実したものにするように心がけることも大切です。大学3年生の後期になると具体的な就職活動が始まりますが、所属する研究室や卒業研究のテーマを決めたり、引退前のサークル・クラブで活動したりで、後半の学生生活も多忙になります。充実した学生生活を送った人ほど、面接などで力強い対応ができます。
また、自己PRには自己分析が不可欠です。自己PRとは、自己分析を通じて自分の長所を考えることです。自己分析は、おおよそ次の4つくらいのポイントがあります。第一は、仕事を通じてどのようなキャリア形成を考えているかです。誰でも、仕事を通じて成長をしたいと考えていますので、仕事を通じて将来どのような人間になりたいかを展望することです。第二は、自分には何ができるかを明確化することです。具体的には、能力・資格・専門などと絡めて、自分の強みを明らかにすることです。第三に、研究やゼミの学業から学んだことを分析することです。これは、充実した学生生活を送り、学業を大切にすることによって得られます。第四は、学業以外のサークル・クラブ・アルバイトを通じて何を学んだか、明確にすることです。それは、勉学や研究以外の面で、どのようなことを学んだか教訓化することにほかなりません。